【Glutamate is the gun and calcium is the bullet】
グルタミン酸は銃であり、カルシウムは弾丸であるとは遺伝子栄養療法では有名な言葉。
グルタミン酸/GABAのバランスを整えることは1st stepとしてキーになり、神経の過剰な興奮を抑制することにも繋がります。
グルタミン酸は記憶や学習といった脳の高次機能に必須ですが、過剰になると神経毒性を持ち、神経細胞死を引き起こします。
またグルタミン酸はNMDA型グルタミン酸型受容体のリガンドとして働き、細胞内に過剰なカルシウムの流入を引き起こします。
結果、過剰なカルシウムは神経システムに過剰な興奮を引き起こすと考えられています。
ではどのような時にグルタミン酸過剰となるのでしょうか?
1つはビタミンB6不足です。
グルタミン→グルタミン酸→GABA
の流れで代謝されますが、グルタミン酸→GABAの代謝に働く酵素としてGAD(グルタミン酸デカルボキシラーゼ)があり、その補酵素がビタミンB6なのです。
B6が不足したり、GADを作る遺伝子に欠損があると
グルタミン酸>GABA
になります。
結果、神経の過剰な興奮が抑えられません。
自閉症スペクトラムではグルタミン酸/GABAにアンバランスを持ち、GABAに不足があることが分かっています。(Sapey-Triomphe LA, et al. Autism Res)
またGABAの不足は聴覚過敏にも繋がると言われているため、外部の音がストレスとなり、そのあたりも環境とのミスマッチにも繋がるでしょう。
そして運動指導者にとって特に関係の強いペインコントロールにも繋がります。
Kandel曰く侵害受容器には4種類あり、
温度侵害受容器
機械侵害受容器
ポリモーダル侵害受容器
サイレント侵害受容器
です。
グルタミン酸が過剰にNMDA型グルタミン酸受容体と結合することで「ワインドアップ現象」が起こります。
ワインドアップにより侵害受容器の閾値が下がり痛覚や感覚過敏を引き起こし、それは眠れるサイレント侵害受容器の活性化に繋がります。
結果、痛みに対する感受性が上がり慢性化から抜け出せないと。
自閉症スペクトラムではGABA不足により触覚過敏にも繋がっていると考えられています。(Puts NAJ, et al. Autism Res. 2017.)
これは痛みに対する感受性が上がることとも相関しますね。
ペインコントロールに対する有効性が「栄養>運動」とは絶対になりませんが、根深い不調に対してはまず
“運動と栄養を統合した介入”
ここは必須ですね。
そして、それでもダメな時は他の専門家の助けを求める必要がありますね。
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