【痛風】プリン体摂取を減らしても尿酸値が下がらない人は...

【痛風】プリン体摂取を減らしても尿酸値が下がらない人は…

【痛風とフェリチン】

痛風は関節内に尿酸塩(urate)が沈着し、剥がれ落ちた時に白血球がそれを攻撃した際に痛みが起こり発症すると考えられています。

そのため血液検査の尿酸値が7.0mg/dl以上は高尿酸血症と診断されます。

その際は一般的には”プリン体の摂取を減らしましょう”と言われます。

というのもプリン体が体内で代謝された後に生成されるのが尿酸だからです。

なるほど、それもあるよね。

ですが、実はプリン体(purine)は身体にとって悪いものと思われがちですが、生物の細胞中に含まれる遺伝子の構成成分で、生命活動に必要なものです。

ましてやコレステロールと同じくプリン体も体内で生成されています。

葉酸回路内に存在する酵素SHMT(セリンヒドロキシメチル転移酵素)はメチレーション回路内の基質をDNA合成のために必要なプリン体の産生へ流します。

つまりSHMTのアップレギュレーション≒尿酸値が上がる、となり得るのです。

SHMTをアップレギュレーションさせる要因として大きいのはフェリチン値の増加、つまり慢性炎症と細菌感染です。

そのためフェリチン値と尿酸値の関連、また痛風の発赤とフェリチン値の増加にも関連が見られています(Fatima T,et al. Arthritis Res Ther. 2018.)

また痛風患者では慢性炎症のマーカーとなり得るフェリチン値だけでなく、急性炎症のマーカーとも考えられるCRP上昇の関連も考えられています(Wei J,et al. Wei Sheng Yan Jiu. 2017.)。

痛風でお困りの方で、プリン体の摂取量を減らしても一向に改善が見られない方。

そんな方はもしかすると慢性炎症や細菌感染によりSHMTのアップレギュレーションが原因かもしれません。

ぜひその旨を伝えてドクターに相談してみてくださいませ。

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