コレステロールを元から考える

コレステロールを元から考える

コレステロールというと何だか悪いもののように考えられがちです。

ある意味”もっとも汚名を着せられた生体内で作られる有機物質”と言えるでしょう。

コレステロール自体には

コルチゾールや性ホルモンをはじめに重要なホルモンの原料である

胆汁の原料である

ビタミンDの生成に関与する

細胞膜の構成成分である

といったようにとんでもない程重要な役割を占めています。

ではこのコレステロール自体はどのようにして作られるのでしょうか?

コレステロールはやはりその需要度が高いところで作られます。

 

半分以上は肝臓、そして皮膚、小腸、精巣、副腎などでも作られます。

胆汁の生成

ビタミンD合成

小腸の繊毛はターンオーバーが速い

性ホルモンの原料として

副腎皮質ホルモンの原料として

なるほど、通りでこの場所でも作られるわけねという感じです。

コレステロールの生成は多くは肝細胞内ですが、細胞内の細胞質基質(サイトゾル)、小胞体でを進みます。

では何を原料にしてどのように生成されるのかいうとアセチルCoA、ここを基点にして細かく分ければ17ほどの代謝過程を経てコレステロールが出来上がります。

アセチルCoAからコレステロールになるまでの間の最初の代謝産物としてHMG-CoA(ヒドロキシメチルグリタリル-CoA)がありますが、このアセチルCoA→HMG-CoAの反応の律速酵素はHMG-CoAレダクターゼです。

つまりこの酵素の働きによりコレステロール合成は進むわけであり、このHMG-CoAレダクターゼの働きを阻害してコレステロール産生を抑えるのがスタチン(コレステロール値を下げる薬)です。

HMG-CoAレダクターゼの働きを抑えれば、コレステロール値は下がるわけです。

ですが、HMG-CoAレダクターゼは本来は体内のコレステロール濃度が高まれば、それがフィードバック情報として制御され、コレステロールの生成も抑制されます。

コレステロール値が高いっていうのは身体の中の様々な重要な代謝を担うコレステロールの必要量が増えている、ということです。

そうでなければ本来はコレステロールそのものがHMG-CoAレダクターゼに対するフィードバック機構として働きます。

「コレステロールいっぱいあるけどまだまだ必要やねん、もっと作って」by細胞

ということが体内で起こっているということです。

コレステロール値が高い場合は数字を下げる事に奔走するのではなく、なぜコレステロールが大量に必要になっているのか?

そこを考えることが大事です。

逆にコレステロール値が低い場合はどうでしょうか?

コレステロール値は低いのも問題です。

低血圧や低血糖の要因になり、朝起きれない、慢性疲労感などに関わります。

この場合はコレステロールの原料であるアセチルCoAの不足が考えられますが、アセチルCoAは三大栄養素から作られます。

グルコースピルビン酸アセチルCoA

アミノ酸(糖原性ケト原性ともに)アセチルCoA

脂肪酸アセチルCoA

というように三大栄養素を元にしてアセチルCoAが出来るわけですから、LDLコレステロールが低値なのは低栄養状態であることも示します。

その中でもキーになるのはたんぱく質です。

LDLLow Density Lipoprotein:低比重リポタンパク質の略です。

リポタンパク質とは脂質が血漿中に安定して存在するための様態です。

脂質の多くは血漿中に安定して存在するためにはタンパク質と結合する必要があるのです。

そのため低タンパク状態ではLDLの値も下がる可能性が強くなります。

 

まとめると口腔と胃腸を丈夫に保ち、しっかり食べて運動しようって事です💪🏃‍♂️

 

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