【サイトカインストーム】
このサイトカインストームという言葉、最近はニュースなどでも扱われたりしてご存知の方もいるのではないでしょうか。
ウイルス感染が重篤化する理由の1つとして考えられています。
サイトカインとは細胞間の連絡を行い、標的の細胞を制御をする低分子タンパク質です。
とりわけ免疫系に於いては重要であり、後に出てくるIL(インターロイキン)は
Inter(-の間)+Leucocyte(白血球) が由来です。
実際には筋肉や脂肪などからも分泌されているんですが。
そしてこのサイトカイン。
炎症性、抗炎症のものが存在しています。
ここでキーになるのは…
炎症性サイトカイン IL-6
抗炎症サイトカイン IL-10
です。
炎症とは治癒の最初の過程であり、必須の反応です。
炎症そのものが悪いのではありません。
炎症/抗炎症、このバランスが取れていることが重要なのです。
炎症とは体内の火事とも言え、火事が起こった際は消防士によって鎮火されるべきです。
もし消火されなかった場合、焼け野原となってしまいます。
これを人間の細胞に例えるなら”死”です。
そのため炎症を収束させることが重要ですが、抗炎症(炎症収束)とは能動的なプロセスであり、炎症性サイトカインが減れば自動的に起こるものではありません。
そこでキーになるのが抗炎症サイトカイン IL-10です。
IL-10はTreg細胞、Breg細胞より分泌されて炎症収束に働き、治癒を促進してくれます。
サイトカインストームとは炎症性サイトカインが過剰に発生し、抗炎症が効かず、感染細胞以外も炎症で焼け野原にしているような状態です。
この過剰炎症の嵐がウイルス感染の重症化に関係していると考えられています。
これを防ぐためには炎症/抗炎症のバランスを取り、炎症が発生したら速やかに収束させることです。
つまりTreg細胞、Breg細胞の分化誘導や活性化です。
ビタミンDはこれらの分化誘導効果も期待出来ますし、また腸内環境を改善することもTreg増加に効果的です。
また過剰な内臓脂肪はMCP-1(単球走化性因子)を分泌し、炎症性に働くM-1マクロファージを大量に引き寄せ、その結果としてIL-6が大量発生してしまいます。
そして、IL-6が増えてしまうことでナイーブT細胞からTreg細胞への分化が抑制されてしまいます。
☑︎肥満(内臓脂肪)を改善する
☑︎摂る油の質にこだわる
☑︎腸活、育菌
これらはIL-6の過剰分泌を減らし、慢性炎症を改善することに繋がります。
質的な栄養不足を改善することはIL-6を減らし、IL-10を増加させて免疫を正常化させることが期待できます。
免疫は本来、我々が生まれ持つ機能ですから正常化させることが大切です。