鉄とラクトフェリン

鉄は大変重要な栄養素です。

鉄は電子伝達系でのATP産生に欠かせない栄養素の1つです。

画像真ん中では酸素が必要とされています。

この酸素は当然、ヘモグロビンに結合して運搬されます。

cyt c(シトクロムC)が複合体IIIー複合体IVの間で電子の受け渡しを担当し、ATP産生を支えています。

このcyt cはヘム鉄を含むヘムタンパク質です。

そのため鉄無くして十分なATP産生は有り得ないのです。

ですが、鉄は”取扱い注意”の栄養素です。

•胃酸分泌低下

•慢性炎症(ヘプシジンの影響)

によって吸収が阻害されます。

未吸収の鉄は腸内カンジダを始めとした真菌や悪玉菌の餌になり、状態悪化に繋がります。

そのため鉄欠乏→鉄サプリとはなりづらいのです。

鉄吸収のサポート

消化管の健全化をサポート

この2つに対処する必要があります。

そのための提案の1つが「ラクトフェリン」です。

ラクトフェリンは初乳に含まれる鉄結合糖質タンパク質で、鉄吸収率を高めてくれます。

また抗菌活性も持ち、カンジダなど真菌の活動性を低下させます。

にも関わらずビフィズス菌、乳酸菌など善玉菌を増殖させる効果を持ち、腸のDysbiosis改善にも効果が期待出来ます。

他にもラクトフェリンは…

•腸透過性(リーキーガット)の改善

•腸神経系の成熟促進

•抗炎症効果の促進

とされています(Alan Vega-Bautista et al. Int J Mol Sci. 2019.)。

鉄欠乏へのアプローチとして、選択肢となり得るのがラクトフェリンです。