今朝の食事は…
カテ1 2.5ポー(白米、西洋かぼちゃ)
カテ2D 2ポー(鶏モモ肉、卵)
カテ2E 1ポー(豚バラ肉)
カテ3 無視ポー
カテ5 1ポー(無塩バター)
冷蔵庫のお掃除のため豚バラも食べることになり、本日は”高脂肪食”に🐖
というわけで本日は脂質の話です。
ニューロン(神経細胞)から活動電位が発生して、それを伝える速度を速めるために跳躍伝導が行われますが、これが成せる理由の1つにミエリン鞘(髄鞘)の存在があります。
脳の約60%は脂質で出来ていると言われ、ミエリン鞘にはコレステロールがとても豊富に含まれています。
コレステロールはその役割からも、悪者ではない事が一目瞭然です。
例えばコレステロールは…
▪︎ビタミンDの原料
日光(UVB)が皮膚へ照射されることで7-デヒドロコレステロールはプレビタミンD3へと変わり、体温によりビタミンD3へと変わり、DBP(Vitamin D binding protein)という輸送タンパク質によって肝臓へと運ばれ、非活性型の25(OH)Dとして貯蔵されます。
その後、活性型の1.25(OH)Dとして、骨代謝だけでなく、多くの細胞のVDRに受容されることで各細胞、組織の持つ生理機能に働きかけます。
免疫細胞にもVDR多く存在するため、この花粉症シーズンでビタミンDが重宝されるのは、免疫寛容の働きを担うT-reg細胞の活性をサポートしてくれることが期待できるからです。
それだけでなくVDにはタイトジャンクションの結合を修復してくれる役割も持っています。
この辺の効果は福岡セミナーでも受講者の方に体感していただけました。
いやいや、今回はVDのことが書きたいわけではないので…。
他にもコレステロールは胆汁酸の原料になり、長鎖脂肪酸の吸収をサポートしてくれたりもするんですが、
▪︎細胞膜の構成要素
という大切な役割もになっています。
流動モザイクモデルと言われる、細胞膜のリン脂質二重層が高い流動性を持つことは大切ですが、細胞膜に個々の細胞としての線引きをさせるためにも大切なのはコレステロールによる安定性です。
まあ、何が言いたいかというと、まとめると摂る脂質の質(リポクオリティ)は大切だということです。
実際に必須脂肪酸のオメガ3や6系の油はエイコサノイドとして、オートクリン(自己分泌)、パラクリン(傍分泌)として働くため、摂る油によってホスホリパーゼA2がリン脂質に対して働いた際の生理機能に差が出ます。
ここはオメガ3,6で炎症収束と炎症誘発といった真逆の反応になるため、栄養からのアプローチとして、特に初期の抗炎症の段階では超重要です。
必須脂肪酸は、体内で生成出来ないから外部から摂るしか方法はないため”必須”なわけですが、実はコレステロールは体内で合成されます。
コレステロールの70-80%は体内(主に肝臓)で合成されていますが、コレステロールの原料になるのはアセチルCoAです。
こいつはATP産生においてもメチャ重要で、3大栄養素全てから生成されます。
アセチルCoAからコレステロールまで代謝されると、肝臓から内因性リポタンパクのVLDLとして全身の細胞へとコレステロールは輸送されていきます。
ですが、ここでイレギュラーになるのが”脳”です。
BBB(血液脳関門)に遮られ、基本的には内因性のLDL、外因性のカイロミクロンが脳内にコレステロールを供給しているわけではありません。(Dietschy JM. Biol Chem. 2009.)
じゃあ、ミエリン鞘を構成しているコレステロールは何処から得ているの?ってことですが、それは主にアストロサイトからです。
脳内にはHDL様のリポタンパクは存在していますが、LDL様のリポタンパクはないため、脳内で必要なコレステロールはアストロサイトを主な供給源としています。
アストロサイトは自身が作ったアセチルCoAをコレステロールとして、ニューロンへと送り届けられています。
ではアストロサイトは何を原料にしてアセチルCoAを作っているのか?となると、最もクリーンな栄養素は、やはりグルコースかと思われます。
脳はグルコース、乳酸だけでなく、ケトン体もエネルギーにしていますが、ケトン体もアセチルCoAに変換されます。
また実はアストロサイト自身もケトン体を生成することが分かっています。
ですが、アストロサイトのケトン体はグルコースが不足した際の緊急エネルギーでもあり、神経保護回路でもあると考えられています。(Guzmán M, et al. Prostaglandins Leukot Essent Fatty)
そのため、脳内のコレステロール生成のためにも、やはり適度にグルコースを摂るということが大切なのではないかと思います。
デンプンで肝グリを満たし、血糖を適切に維持する、ということはやはり大切なことだなと思うばかりです。
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