前庭–小脳の繋がりも好きですが、もう小脳そのものが大好き大好きで堪らんのです。
Disconnected Kidsに敢えて1つ意見を述べるなら
「いや、小脳にも触れてよぉーーーーっ❗️❗️❗️」
です。
しかしこの書籍は専門家向けではなく、一般向け。
ややこしい説明を抜いた名書に変わりありません。
小脳の役割は「運動制御」というイメージですが、それ以外にも実に多くの認知活動にも関与しています。
小脳は3領域に分けられ…
【前庭小脳】
•眼球運動と頭部運動の協調
•前庭反射に関与
•平衡感覚
【脊髄小脳】
•末梢の深部感覚•触覚入力を受け、体幹の筋緊張を調整
•四肢の近位群を制御
•姿勢や歩行の調整
また虫部は眼球運動(特にサッケード)にも関与
【橋小脳】
•大脳皮質と結びつきが強く運動円滑化
•運動のプログラム化
•手指の複雑な動作、滑らかな話し方へ関与
といった部位別の役割を持ちます。
そして、何より小脳は「運動学習」に大きく関わっています。
運動洗練や自動化理論の1つとして「内部モデル理論」があります。
例えば「目の前にあるコップを取る」。
とても単純な動きです。
ですが、ヒトの身体が持つ”関節の自由度”から、脳はこの単純動作を行うのにも複雑な計算を必要とします。
そこで「運動を経験し、学習し、予測的に動くための内部モデルを構築して小脳に保管している」というのがこの理論。
僕は内部モデルを「運動企画の設計図」と考えています。
毎度毎度、「新しい運動を0から企画」。
これでは脳は単純動作をこなすにも、常に複雑な計算に追われてしまいます。
つまり単純動作も”大脳皮質レベル”で努力して生み出す必要があり、スポーツや日常生活のようなカオスの状況下では使い物になりません。
ですが、設計図さえあれば「環境に合わせて」簡単に再現可能です。
経験と学習によって「様々な動作の内部モデル」を構築すれば、より多くのタスクに対応可能になります。
運動学習に於いて重要な事は「運動実行中の修正」ではありません。
運動実行前に”環境”に合わせ、予測的に修正された運動を生成することです。
そのために設計図となる「内部モデル」が必須になります。
この「内部モデル理論」も1つの考え方でしかありません。
それでも”小脳”の神秘や偉大さを考えると大好きにならずにいられません。
小脳に関しては…
【感覚と運動の統合:脳と脳神経】
こちらで学べます。
直近では8/22-23に鹿児島開催がございます。
というわけで今後も小脳をしっかり勉強していこうと思います。
次回は中鎖脂肪酸について。
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