先日、デパス(エチゾラム)という抗不安薬に関する話になったので…
デパスはベンゾジアゼピン系抗不安薬の代表格とも言えます。
作用機序には大脳辺縁系が関わります。
大脳辺縁系を始め、全身にBZD(ベンゾジアゼピン)受容体が存在します。
このBZD受容体は、GABA受容体、塩素イオンチャネルと複合体を形成してシナプス後膜に存在しています。
デパスがBZD受容体に結合すると細胞内への塩素イオン流入が起こり、脳の興奮が抑制されて沈静作用をもたらします。
またBZD受容体の活性化はGABA活動性を高めて不安、鎮静効果が得られます。
つまり大脳辺縁系のBZD受容体へデパスが結合すると辺縁系が抑制され、抗不安効果が得られます。
ですがデパスは高い”依存性”も持っています
•抑鬱
•不安
•大脳辺縁系
•依存
こう並べると思いつくのは、やはり”前頭葉の不活性”です。
先日のニューラル•パフォーマンスの復習。
前頭葉は運動指令だけでなく、
•モチベーションや自発性
•大脳辺縁系の制御
•執着からの解放
にも関与します。
またGABAは抑制性の神経伝達物質として働きますが、大切なのはGABAそのものを摂取することではありません。
中枢神経の細胞の約70%はグルタミン酸を利用して認知、学習、記憶など高次機能を発揮します。
このグルタミン酸は酵素GADによってGABAへ代謝されます。
実はこれがとても大切です。
そしてGADはVB6を補酵素とし、食事摂取だけでなく腸内細菌もVB6を産生してくれます。
運動療法による前頭葉活性。
栄養療法による欠乏の改善。
この統合療法によって”思考””行動”など脳のアウトプットが変わります。
“思考”と”行動”が変われば、次はその習慣化です。
そのためには行動療法が必須です。
特にデパスは”依存性”が強いため、最終的に薬要らずになるには行動療法が欠かせません。
薬は対処療法として必須です。
しかし根本改善には運動、栄養、生活習慣、この3つによる「統合療法」が不可欠になる。
これは多くの慢性不調に該当します。
この統合療法を土台とし、更に多くのヘルスケアプロフェッショナルが力を合わせる。
実現すれば何かが変わりそうな気がします。
というわけで今日も運動療法、栄養療法、行動療法、この3つをバランス良く勉強しようかと思います✍️
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