血液検査のAST,ALTから読み取れるもの

血液検査のAST,ALTから読み取れるもの

先日はビタミンB6について書きましたが、このビタミンB6はアミノ基転移酵素の補酵素として働くため非常に重要です。

そのアミノ基転移酵素でもあるのが、皆さんご存知の一般的に肝機能検査として用いられている、

AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)

ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)

です。

 

低たんぱく+脂肪肝などによりマスキングされ易いため、そこを見抜く必要はありますが、ALT,ASTはビタミンB6不足を見つけるためにも用いられたりします。

TCA回路を回すために必要な物質を作るのにもAST,ALTは活躍するため、間接的にATPが作れているのかを見ることもできます。

AST,ALTだけで多くの推測が浮かび上がりますが、仮にビタミンB6が不足するとトリプトファン→セロトニンの代謝が阻害されます。

結果、疲労感を抱えやすかったり、睡眠の質も下がりやすかったり、精神面への影響がでやすくなります。

また精神面への影響だけでなく、不足する事でさまざまな弊害も起こり得るのがマグネシウムです。

COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)という酵素があり、こいつはアドレナリンやノルアドレナリンに代表されるカテコールアミン類を不活化してくれます。

仮にCOMTの酵素活性が低下してしまうとアドレナリン、ノルアドレナリンが不活化できなくなってしまいます。

結果として交感神経優位から抜け出しづらくなってしまい、常に不安感を感じやすくなったりもします。

交感神経優位の状態は呼吸数も上がりやすく、過緊張に陥りやすく、血圧も上がります。

このCOMTはマグネシウムを補酵素としているため、これらを予防するためにはマグネシウムはとても大切なのです。

そして、ミネラルは吸収が難しい栄養素も多いため摂ればいいというモノでもありません。

胃酸分泌、腸内弱酸性化による消化吸収の促進。

そして浪費をなくすこと。

マグネシウムは亜鉛と同じく、必須脂肪酸を代謝する酵素Δ6,Δ5デサチュラーゼの補酵素としても働きます。

そのためリノール酸リッチな食事を摂っていてもマグネシウムや亜鉛が無駄使いされる可能性がありますし、過剰な炎症誘発エイコサノイドによる慢性炎症があればコルチゾールも必要となります。

そのコルチゾール生成にもマグネシウムや亜鉛は浪費されてしまいます。

過緊張を取り除き、呼吸を改善するための栄養コンサルティングも基本は

“まずは取り除くこと”

ですね。

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