うつ病や鉄&亜鉛欠乏、機能性低血糖症との相関性

うつ病、ADHDの状態で、当施設にお越しいただいていた方より本当に嬉しい手紙をいただきました。

-以下、手紙内容

 

5、6年前は病床に伏せり、夢も未来もないような毎日でしたが、4年程前から4時間 週3回働けるようになり今では8時間 月20日働けるようになりました。

2年かかりましたがケアマネージャーの試験にも合格する事が出来ました。

少しずつ色々な事が軌道に乗ってきました。

食事、運動の事を学んで双極性障害の私でも色々な事が出来るようになりました。

本当にありがとうございます。
そして、今後も色々な事を教えて下さい。

よろしくお願い致します。-以上

 

 

本当に嬉しいお言葉をありがとうございます。

オーソモレキュラー療法の先駆者でもあり、精神科医でもあったエイブラム・ホッファー博士は治療のゴールを

「患者をタックスペイヤー(納税者)に戻すこと」

というような言葉を残されていますが、クライアント様ご本人の努力があり、ゴール以上の状態にまでなられています。

うつ病、新型うつ病、統合失調症などのレッテルをつけられ社会復帰が困難になっておられる方ともお会いしますが、そういった方の中に実体や大元は鉄欠乏や機能性低血糖症だったという方もおられます。

特に近年の日本人に鉄欠乏性貧血とうつ病の自己報告にも相関性が見られ(※1 Hidese S, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2018.)、うつ病者は非うつ病者よりも貧血を持つ人が多いことが分かっており(※2 Shafi M, et al. J Coll Physicians Surg Pak. 2018.)、うつ病と貧血には関係があると考えられています。

 

また同じく低血糖の頻度も抑うつ状態と相関があることが示唆されています(※3 Biggers A, et al. J Clin Transl Endocrinol. 2019.)。

 

いわゆるうつ病の方は糖類などが大量に含まれた食品や飲料を好まれる傾向がありますね。

 

そして、血糖値スパイクから血糖を回復させるために副腎皮質よりコルチゾールが分泌されますが、その時に亜鉛も消耗されてしまいます。

 

結果、亜鉛も欠乏がち。

 

ADHDの方は亜鉛/銅バランスの乱れもありますが、亜鉛欠乏だけでなく鉄欠乏もみられ、水銀や鉛の蓄積も関連している事が考えられています(※4 Tabatadze T, et al. Georgian Med News. 2018.)。

 

亜鉛の不足は重金属デトックス効果を持つメタロチオネイン産生低下に繋がり、それの影響もあるのかもしれませんね。

 

鉄の不足、亜鉛の不足、なんだか繋がりを感じられますね。

 

こちらのクライアント様も食生活の改善と運動、その他の生活習慣も改善され、合格率10%程の試験に見事合格されました。

 

「私達の身体は食べたものでできている」

そうは言われますが、

私達の未来は食べたもので変えられる

 

とも言えるのかもしれませんね。

 

※1 Association between iron-deficiency anemia and depression: A web-based Japanese investigation.
※2 Relation between Depressive Disorder and Iron Deficiency Anemia among Adults Reporting to a Secondary Healthcare Facility: A Hospital-Based Case Control Study.
※3 Relationship between depression, sleep quality, and hypoglycemia among persons with type 2 diabetes.
※4 ATTENTION DEFICIT HYPERACTIVITY DISORDER AND HAIR HEAVY METAL AND ESSENTIAL TRACE ELEMENT CONCENTRATIONS. IS THERE A LINK?