動作評価の一環として多くの方が歩行評価も実施すると思いますが、歩行評価を行う中で神経システム(中枢、抹消、自律神経)の活性バランスなども幾分か推し量ることが出来ます。
例えば歩行時のアームスイングでは対側の大脳皮質の活性を推し量る目安にもなり得ます。
※左の腕振りが少なければ右大脳皮質
随意運動は皮質脊髄路(≒錐体路)により大脳皮質からの運動指令を脊髄を介して四肢の遠位まで送りますが、歩行時のアームスイングはあくまで不随意運動であり、中脳にある赤核は皮質脊髄路と平行する錐体外路でもある赤核脊髄路を介し、対側の不随意運動の制御にも関わってきます。
Dr.Carrick曰く
「大脳皮質の機能低下、及びに左右の皮質機能の不調和にみられる特徴を歩行中の腕の振りの違いに診ることができる」
また大脳皮質の発達と共にむやみやたらに交感神経が働くことも抑えられているため、一側大脳皮質の機能低下は同側の交感神経亢進に繋がります。
そのため右と左で顕著に血圧が違うなどということが起こるため、初期のカウンセリングで両手の血圧を測ったりすると、その情報からも何となく大脳皮質機能の左右差を推し量ることもちょっぴりだけ出来たりするわけです。
また同じくDr Carrick曰く
「大脳皮質の発達により左右のPMRF(橋延髄網様体形成)を介し、T6より上の前部とT6より下の後部の抑制効果が得られる」
そのため肩内巻き&ガニ股が出来上がるという仕組み。
つまり歩行、姿勢、血圧、そういったものからも脳機能もある程度は推し量れるということです。
結局は人間なんてどう動くか分からないし、そこが楽しいのだけど、ある程度は問診と視診で評価出来るようになるのが理想ですね。
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